さらに制作と上映と続けるうちに気づいたのは、
この作品を観た多くの人がそれぞれの「悪夢」を思い出すことで作品を共有する、
ということです。

誰もが、無意識のうちにずっと気になっている「問（question）」を持っていて、
その「答（answer）」を探している。
私の作品は、その問の存在を思い出させ、答が一瞬みえそうになる
「ヒント（hint）」のようなものなのかもしれません。
私にとっては作品が次の制作のためのヒントになっている気がします。
それがこの作品を作り続けている理由なのだと思います。
　
今回の展示はアニメーション「てんとう虫のおとむらい」を中心に構成します。
そこから「ヒント」を得て制作したドローイング、
さらにそれらの「ヒント」になった卒業制作版「てんとう虫のおとむらい」と
アニメーション「電車かもしれない」も同時に上映致します。

「電車かもしれない」（2002）〜現在のドローイングまでの
流れをみていただければと思います。